結婚相談所サービス各社が公表している「成婚率」。
結婚相談所を選ぶ際に参考にされている方も多いと思いますが、実はこの成婚率をだすための「計算式」が各社バラバラなのをご存知ですか?
単純に〇〇%という数字を見るだけでは見えてこない、結婚相談所の本当の成婚率の実態についてお伝えします。
各社で異なる成婚率の出し方
「計算式が違うと成婚率も違ってくる」ことの例として、たとえば
②成婚率=成婚退会者数(成婚した人の数)÷全在籍会員数(全会員の数)
この2つを比べると、当然①のほうが「成婚率」は高くなります。
このように「どんな計算式を使うか」によって成婚率はまったく変わってくるにもかかわらず、各社独自に計算式を決めているという現状があります。
なので、公表されている数字だけを比べて「この結婚相談所がもっとも成婚率が高い」とはいえないんですね。
そこで今回は各社の成婚率の実態が把握できるよう、②の計算式に統一して、各社の成婚率を出してみたいと思います。
意外と低い?楽天オーネットの成婚率
まずは会員数最大のオーネットから見てみましょう。
オーネットは2016年1月現在の在籍会員数が44,073人、過去1年の成婚退会者数が5,076人というデータが公表されています。
つまり、
5,076÷44,073=約0.115
ということで、オーネットの成婚率は11.5%となります。
会員10人につき成婚できるのは約1人強というところですね。
「思っていたより低い・・」と感じる人もいるかもしれません。
イオングループ「ツヴァイ」の成婚率は?
つぎにイオングループのツヴァイを見てみましょう。
ツヴァイは2015年2月現在の在籍会員数が33,078人、過去1年間の成婚退会者数が約5,840人となっています。
5,840÷33,078=約0.176
ということで、ツヴァイの成婚率は17.6%となります。
オーネットよりは高い成婚率ということになります。
コンシェルジュによるサポートの効果は?パートナーエージェントの成婚率
パートナーエージェントは成婚にこだわったサービスを提供しているとうたっているだけあって、情報の公開度はもっとも高いです。
公式HPには「2015年の成婚率」(成婚退会者数÷在籍会員数)として27.2%という数字を公表しています。
ちなみに「2016年7月現在の会員数12,165人」と「2015年4月から1年間の成婚退会者数3,050人」から計算した成婚率は25.07%になります。この差がどうして生まれてくるのかというと、パートナーエージェントは他の結婚相談サービスに比べて会員数の伸び率がすごいことになっているからでした。
なので会員数が伸びる前の「1年前」の会員数を元に計算すると、ほぼ27.2%に近い数字がでてきます。ですのでとりあえずパートナーエージェントの成婚率は27.2%ということでいいと思います。
成婚率の高さもですが、これだけ会員数が伸びているというのもすごいですね。
サポートに力をいれた高額サービス「IBJメンバーズ」の成婚率
「カウンセラーひとりあたりの担当会員数」をかなり絞ることにより、充実したサポート体制をしいている『IBJメンバーズ』。
こちらも公式サイトで成婚率を公表していますが、その数字はなんと「52.6%」というとんでもないものになっています。
これは成婚率の出し方が異なるからで、おそらくですが
【成婚率=成婚退会者数÷退会者数】
という計算式でだした数字だと思われます。
直接IBJさんに聞いてみた
この疑問を直接IBJメンバーズさんに伺ってぶつけてみました。
その結果・・・(ここだけの話ですが)
とのことでした。
ということはつまり、IBJメンバーズの成婚率は20%ちょっとということになりますね。
計算式によってこれだけ成婚率がかわってくる代表的な例だといえます。結婚相談所の成婚率を評価するときには要注意ですね。
サンマリエ・ノッツェ・ゼクシィ縁結びカウンターの成婚率
この3つの結婚相談サービスは「会員数」「成婚者数」「成婚率」ともに非公表のため、数字をだすことができませんでした。
「ゼクシィ縁結びカウンター」は2015年に始まったばかりなので難しいのはわかりますが、大手と呼ばれる「サンマリエ」「ノッツェ」にはできればデータを公表してほしいところですね。
結婚相談サービス各社 成婚率の比較
ということでここまで出した数字をまとめると、各社の成婚率は下のようになります。
成婚率 (成婚退会者÷在籍会員数) | |
パートナーエージェント | 27.2% |
IBJメンバーズ | 20%ちょっと |
ツヴァイ | 17.6% |
オーネット | 11.5% |
ノッツェ | 非公表 |
サンマリエ | 非公表 |
ゼクシィ縁結びカウンター | 非公表 |
同条件で比較した成婚率No.1は「パートナーエージェント」
ということで成婚率No.1はパートナーエージェントということになりました。
非公表の会社がいくつかありますが、こうした数字は「自信があれば公表するもの」なので、パートナーエージェントレベルでないことは確かなのではないかと思います。
成婚率に差が生まれるのは当然?サービス内容が成婚率にも反映されている
成婚率が高い「パートナーエージェント」、そして「IBJメンバーズ」はともにコンシェルジュやカウンセラーによる「手厚いサポート」をウリにしています。
そのサービス内容の違いが、数字としてもあらわれていると思われます。
それに対してツヴァイやオーネットは「データマッチングによるお相手紹介」がメインのサービスなので、パートナーエージェントやIBJよりも成婚率が下がるのは当然といえるでしょう。
どちらが上というよりは、サービス形態が異なると考えたほうがいいでしょうね。
オーネットの成婚率が低い理由
ところで業界最大手の「オーネット」が数字がでている中では一番低い数字になっていますが、この理由は主に「サービス内容と、ユーザーの期待のずれ」にあるのではないかと個人的には考えています。
オーネットのサービスの根幹は、40,000人を超える会員から、200項目に及ぶ厳密なデータマッチングによって機械的に条件が合う人を紹介するというものです。
どちらかというと「結婚相談所」というより「結婚情報サービス」というにふさわしいサービスなのですが、そこに「結婚相談所」のような手取り足取りの手厚いサポートを期待して入会してしまうと、
「こんなはずじゃなかった」
と期待はずれに終わって退会してしまう人が多いのではないのでしょうか?
オーネットのほうもカウンセリングで「サポートしますよ〜」と言ってることがあるらしいのでそれもよくないと思うのですが(苦笑)、「大手だから入ってしまえば何とかなるでしょ」ではなく、入会前にしっかりとした情報集めをして自分の期待に合ったサービスを選んでほしいと思います。
まとめ。成婚率を見るときは「どんな計算式で出した数字なのか」に注意しよう
ということで大手各社の成婚率の実態を比較してみましたが、いかがでしたでしょうか?
おおむねサービス内容を反映した成婚率になっているようなので、個人的には妥当な数字だと感じました。
お伝えしたように、成婚率は計算式によって数字が大きく変わってきます。
今回は数字が公表されている大手を中心にとりあげましたが、中小の結婚相談所で成婚率をウリにしているところをみかけたら、「どんな計算式でだした成婚率なのか?」を確認するようにしていただければと思います。
Photo credit: jannekestaaks via Visualhunt / CC BY-NC
Photo credit: urbanwide via Visual Hunt / CC BY-NC-SA